弊社のクライアントにネット上で誹謗中傷記事を書かれているクライアントが2件ある。
Webコンサルタントを自称している我々にとって、このような問題も勉強しておくべき!ということで、ネット上での誹謗中傷と名誉棄損について、少し調べてみた。
まず、ネットで誹謗中傷された場合の対策として考えられるのが、「名誉棄損」。
栃木県にある矯正歯科を単価標榜している歯科医師が、ある歯科医師が運営していると思われるサイトを名誉棄損で訴えた事件がある。
その原告の弁護士が公開しているサイト(http://gvbdosaiban.blog121.fc2.com/blog-entry-1.html)によれば、
ポイントとなるのは、
1.ある記事の内容が、社会的評価を下げるものと言えるのか?
もし、社会的評価を下げるものである場合、
2.そのような記事が違法でないと言えるのか?ということが判断される。
そして、
違法かどうか?のポイントは、
イ.公共の利害にかかわるものか?
ロ.公益目的に出たものか?
ハ.内容が事実か否か?
という順序で判断がなされるとのこと。
特筆すべき点は、「ハ」の議論をする前に、公共性、公益性がなければ、名誉棄損に抵触する可能性があるということ。
また、昨日、インターネット上でラーメン店チェーン運営会社を中傷する書き込みをしたとして、名誉棄損罪に問われた会社員が訴えられた事件について裁判所は、会社員が登記簿を調査するなどの情報収集を行っており、「インターネットの個人利用者として要求される水準の事実確認は行っていた」と判断して、「名誉毀損には当たらない」と結論付けたが、事実関係は認定しなかった。
つまり、事実関係によらず、公共性、公益性がポイントになると言える。
もちろん、記事の事実関係が、ほとんど吟味されることなく掲載され、相当程度の範囲で逸脱があれば、当然の如く、名誉棄損になる可能性は高い。
この裁判の波床裁判長は、「ネットでは利用者が互いに反論できる上、情報の信頼性が低いため、従来の基準は当てはまらない」と指摘。また、 「真実でないと知りながら発信した場合か、インターネット個人利用者に要求される水準の事実確認を行わずに発信した場合に、名誉毀損罪が成立する」との新たな基準を示した。
※インターネットを筆頭とした情報社会において、歯科医師が他の歯科医師が運営するサイトの記事によって誹謗中傷された事件のようなことは、今後さらに増える可能性がある。
また、このことによって、真面目に治療しているにも関わらず、一方的な誹謗中傷を受け、歯科医院の経営にも影響を及ぼす医院もあるはずである。
実際、弊社のクライアント(2医院)も、前述のサイトに掲載されている。
(個人的意見であるが、これらクライアントの歯科医院は、しっかりしている医院で、自分が受けても良い治療をしている医院である。)
今後、誹謗中傷で困られる医院も多く、それこそ、公共性、公益性を考え、今回参考にさせて頂いた
サイトについての情報は、下記に転記させて頂いた。
著作権者の連絡先を調べることが困難であった為、勝手に転記させて頂いたが、不都合があれば早急に削除致しますので、下記まで、ご連絡ください。
運営者 玉木親之
メール tamaki●tandr.jp
※●には@を入れてください。ブログにメールアドレスを記載すると1日に数千件のDMが届くようになってしまうので。
(*^_^*)
↓↓↓↓↓↓↓↓以下(http://gvbdosaiban.blog121.fc2.com/blog-entry-7.html)を引用↓↓↓↓↓↓↓
裁判所は、それぞれについて次のように判断しています。
1)患者さん自身の見解部分について
記事の内容そのものが、特に原告の社会的評価を下げるようなものではない → 従って、もともと名誉毀損には当たらない。
2)被告自身の見解部分について
記事の内容は、原告の社会的評価を下げている→名誉毀損にあたる可能性がある。
↓
↓では違法性が認められるか?
↓
①歯科医の治療行為なので、公共の利害に関する事実にあたる
②しかし、記事掲載に公益目的は認められない
以上によって、③の真実性を判断するまでもなく、被告の記事は名誉毀損に当たる、と判断しています。
ただ、違法性の程度を判断するに当たって、被告の記事の内容の真実性、及び、被告による表現内容の適切性も吟味していますが、その結果
③被告の記事の内容、つまり、原告の矯正治療が不適切であった、という事実は認められない。としているとともに、その表現内容も人格的非難にわたっていて不適切である、と判断しています。
以上の判断について、原告としては、1)の患者さんの見解部分が社会的評価を下げていない、という裁判所の判断には不服がありますので、この点は、控訴審においても争う必要があると考えています。
2)の被告の見解部分についての判断については、そのとおりであると考えています。
特筆すべきは、被告がこのような記事を掲載しているウェブページについて「公益目的を否定」した部分です。
つまり、このウェブページ上に、他人の社会的評価を低下させるような記事が掲載されていれば、その真実性に判断するまでもなく、公益目的が認められないことから、名誉毀損が成立する可能性が非常に高いといえるのではないか、と考えています。
↑↑↑↑↑↑↑↑以上(http://gvbdosaiban.blog121.fc2.com/blog-entry-7.html)を引用↑↑↑↑↑↑↑↑
↓↓↓↓↓↓↓↓以下(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080229-00000126-jij-soci)を引用↓↓↓↓↓↓↓↓
中傷書き込みに無罪=ネット名誉棄損で新基準=「確実な根拠」求めず・東京地裁
2月29日18時31分配信 時事通信
インターネット上でラーメン店チェーン運営会社を中傷する書き込みをしたとして、名誉棄損罪に問われた会社員橋爪研吾被告(36)の判決が29日、東京地裁であった。波床昌則裁判長は、内容に確実な根拠はなかったとしたが、「公益目的で、個人として求められる水準を満たす調査をしていた」として、無罪(求刑罰金30万円)を言い渡した。
ネット上の個人表現について新たな判断基準を示したもので、弁護側は「画期的な判決」と評価している。
橋爪被告は、2002年10月から11月にかけ、ホームページで運営会社について、「右翼系カルト団体が母体。ラーメン店で食事するとカルトの収入になる」などと記載したとして起訴された。
判決で波床裁判長は、書き込みは公益目的と認めたが、同社と団体の一体性や緊密な関係を否定。メディア報道なら有罪となるケースと指摘した。
↑↑↑↑↑↑↑↑以上(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080229-00000126-jij-soci)を引用↑↑↑↑↑↑↑↑
↓↓↓↓↓↓↓↓以下(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080229-00000933-san-soci)を引用↓↓↓↓↓↓↓↓
「カルト団体の母体だ」HP書き込みで批判 男性に無罪 東京地裁
2月29日15時42分配信 産経新聞
ラーメンチェーンを経営する企業がカルト団体と関係があるかのような書き込みをインターネットのホームページで掲載し、企業の名誉を傷つけたとして、名誉毀損罪に問われた会社員の男性被告(36)の判決公判が29日、東京地裁で開かれた。波床昌則裁判長は、「名誉毀損には当たらない」として、罰金30万円の求刑に対し、無罪を言い渡した。
波床裁判長は、まずインターネット上の書き込みに関して、名誉毀損罪が成立するか否かを検討。「ネットでは利用者が互いに反論できる上、情報の信頼性が低いため、従来の基準は当てはまらない」と指摘。
「真実でないと知りながら発信した場合か、インターネット個人利用者に要求される水準の事実確認を行わずに発信した場合に、名誉毀損罪が成立する」との新たな基準を示した。
その上、波床裁判長は、男性が企業の登記簿や雑誌の記事などの情報収集を行っていたことを指摘し、「インターネットの個人利用者として要求される水準の事実確認は行っていた」と判断。「名誉毀損には当たらない」と結論付けた。
男性は平成14年10~11月にかけて、自身がインターネット上に開設したホームページで、ラーメンチェーンを経営する企業について「カルト団体の母体だ」などの文章を掲載し、この企業の名誉を毀損したとして起訴された。
この事件をめぐっては、民事訴訟では男性の書き込みが名誉毀損に当たると判断し、賠償を命じている。
■東京地検の渡辺恵一次席検事の話
「判決内容を子細に検討し、適切に対応したい」
↑↑↑↑↑↑↑↑以上(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080229-00000933-san-soci)を引用↑↑↑↑↑↑↑↑
↓↓↓↓↓↓↓↓以下(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080229-00000120-mai-soci)を引用↓↓↓↓↓↓↓↓
<ネット名誉棄損>男性に無罪…東京地裁が新判断基準
2月29日20時21分配信 毎日新聞
ラーメンチェーン経営会社を中傷する文章をインターネットのホームページ(HP)に掲載したとして、名誉棄損罪に問われた東京都の会社員、橋爪研吾被告(36)に対し、東京地裁は29日、無罪(求刑・罰金30万円)を言い渡した。波床(はとこ)昌則裁判長はネット上の文章が名誉棄損罪となる場合を限定的にとらえる新たな判断基準を示した上で「被告はネットの個人利用者として求められる水準の調査をしており、罪には問えない」と述べた。
判決は、ネット上の表現で個人が名誉棄損罪に問われるのは「内容が真実でないと知りながら発信したか、個人利用者に要求される水準を満たす調査をせず、真実かどうか確かめないで発信した場合」との基準を示し、マスコミの報道や出版の場合よりも有罪認定のハードルを高く設定した。
その理由として(1)マスコミと個人の関係とは異なり、ネット利用者は対等の地位で言論を応酬しあえる(2)個人利用者がネットに発信した情報の信頼性は低いと受け止められている--などとネットの特性を挙げた。
橋爪被告は02年10~11月、HPに「経営会社はカルト団体が母体」などと記載したとして在宅起訴されていたが、判決は「記載は公益目的で、被告は会社登記簿や雑誌を資料にして関係者とメールをやり取りするなどの情報収集をしていた。被告は記載内容を真実と誤信していた」とした。一方で、メディア報道なら有罪となるケースとも指摘した。
橋爪被告は判決後「これを判例にして表現の自由を確保してほしい」と喜びを語った。東京地検の渡辺恵一次席検事は「判決内容を子細に検討し、適切に対応したい」とのコメントを出した。【銭場裕司】
◇解説…組織より個人の免責範囲広げる
29日の東京地裁判決は、急速に進むネット社会に司法が対応したものと言え、幅広い議論を呼びそうだ。
名誉棄損罪が免責されるには(1)公益目的がある(2)真実性がある(3)真実と信じる相当な理由がある--などの要件がある。真実でなくても(3)の真実相当性が認められれば、罪には問われない。従来は、十分な裏付け取材を行うなどの根拠がなければ(3)は認められなかったが、判決は、確実な根拠がなくても個人利用者なりの調査をしていれば満たすとし、免責範囲を広げた。
新基準の効果について、判決は「ネット上の表現行為が萎縮(いしゅく)する事態が生じず、情報や思想の自由な流通が確保される」と言及した。園田寿・甲南大学法科大学院教授(刑法)は「個人と組織が同じように発言できるネットの特性を無視して国が法律を振りかざすべきではなく、判決は画期的だ」と評価しつつ「個人と組織で証明のハードルの差を付けることにはもっと議論が必要だ」とも指摘する。
ネット上の一方的な中傷で被害が生まれる事態は後を絶たず、判決が曲解されて悪質な掲載を助長する心配もある。ただ、今回の事件でも民事訴訟では賠償命令が確定している。刑事罰は問えないケースでも、民事上の責任が生じる可能性はあり、十分な根拠のない中傷が許されないことには変わりがない。【銭場裕司】
↑↑↑↑↑↑↑↑以上(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080229-00000120-mai-soci)を引用↑↑↑↑↑↑↑↑